親戚との食事会
翌日は、昼近くまで部屋で二人で過ごしていた。
朝食は、コーヒーだけ
それども彼は満足だったし、幸せだった。
マリーはフィリピン人にしては珍しく、コーヒーをブラックで飲む
太ることを気にしているようだ
3IN1という、砂糖とミルクがたっぷりななかに 申し訳程度のコーヒーが混ざっているような甘い飲み物を好む子が多い中では珍しい部類だった
昼過ぎにタクシーでマリーの家に、二人で戻った
この日初めて見る顔の、マリーの遠い親戚と言うおばさんが来ていた
このおばさんは、日本語が堪能なので、急遽この場に呼はれて来たようだ
彼は日本語で、家族とマリーが何を欲しているのかをもう一度聞いてみた
要約すると・・・
付き合うのは問題ないし、この家に来るのも問題ない
でも、いっしょに旅行に行ったり、いっしょに住むのは「約束」をしてからにしてほしい
親戚にも紹介しておかないと、陰で色々言われるから困る
「わかった、約束と言うのは何をすればいいのか?」
彼は、具体的なことを聞き始めた
こういうときに、フィリピン人はなかなか要望を言わない
恥かしいと言う言葉を何回も使うが、満足するまではなかなかOKも言わない
食事会とはどういうものなのか?
「身内だけ呼んで、質素にやりたいが、200人くらいは・・」
「一人娘だから、恥をかかないようにしたい・・・」
親戚の家を借りて其処でやるのか?
「そんな大きな家はないから・・・」
「知り合いの場所を借りる・・・」
彼は全く食事会のイメージが作れない・・・
「予算はどのくらいを考えてるの?」
「あなたは幾ら出してくれますか・・」
「だって規模も場所も解らないから・・・判断できないよ」
ちぐはぐな会話が続く
そのうち、マリーのお母さんが怒り出す始末・・・
日本や海外での仕事も多く、要望を率直に言って妥協点を見出す彼のやり方はここでは通用しないばかりか、場の空気が悪くなるばかりだ・・・
親戚のおばさんが言うのは・・・
「フィリピンにはフィリピンの田舎のやり方が有るから、全て任せてください・・・」
不満だったが、彼は仕方なく了解した
要するに金を出しても口は出すな・・・なのだろう
両親とマリーが相談したり、親戚に電話をして、食事会の準備が進んでいく
その間に、彼は通訳出来るおばさんと話しをしていた
「フィリピン人は普通教会で結婚するでしょう? 婚約はどうするの?」
色々あるようだが、親族を呼び盛大にパーティーをやることもあれば、リングの交換だけで質素にやる場合も有るという。
今回は、マリーの強い希望で、婚約披露パーティーをやりたがっているそうだ
そうか・・・マリーがやりたいなら仕方ないか・・・
暫くすると、マリーが彼の元にやってきた
「婚約指輪を買ってくれますか? 食事会のときに指輪を嵌めて貰いたいから・・・」
まあ、それは解らないでもないな・・・彼女にとっては大きなイベントだから
「OK、其処で準備するの?」
その足で、全員がタクシーに乗ってMAKATIの大型ショッピングモールに出掛けた
マリーを先頭に、幾つかの宝石ショップを回って、指輪を物色する
マリーの希望は、ごてごてした物ではなく、デザインがシンプルなもの
やっとお気に入りのデザインのものを見つけて、サイズを作ってもらう
価格は、10万ペソ・・・手付けの1万ペソを支払って、残りは受け取りのときに支払うことにした
モールでちょっと早い夕食
5人で食事しながら、田舎に行く日程の事になった
急な話で親戚を呼ぶことを考えると、今度の日曜日にすることになった
彼は、翌週の火曜日に帰るつもりで居たので、日程の問題は無さそうだが・・・
タイ行きはこれで出来なくなった・・・日程が食事会と重なった・・・
こういうときはフィリピン人は人の都合は全く聞かないので、彼も言い出せなかった
それに、親戚の子供たちも日曜でなければ集められないというのでは、彼も強く言えなかった
食事会の計画がおおよそ決った
招待者がリストだけで150人
その他聞きつけてくる人や、近所の知り合いなど・・・200人規模
会場は、知り合いのリゾート
司会やビデオケの手配、マニラからの移動や、もろもろの経費で・・・
約12万ペソ・・・
勿論彼の支払いだそうだ
「何だか凄いことに巻き込まれたなぁ・・・」 彼の偽りない気持ちだった
続く・・・
※内容はフィクションですので・・・(汗)
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