小さなときめき
翌日の夕方、二人の姿がロビンソンにあった
彼はロビンソンのモールで、マリーにお店で履くサンダルや、ヒールを買い与えることにした。
ここ数日、彼女が店で履いているサンダルが壊れかけていたのと、ガウンとの色が有っていなかったのが気になったからだ
マリーはロビンソンのデパートで高価なものではない、安いものを申し訳無さそうに選んでいた。
どっちがいいかなぁ・・・という表情で迷っているのを見て、「両方買いなさい」というと、はじけるような笑顔で、抱きついてきて「有難う」と甘える・・・・
このくらいのことでこんなに喜んでもらえるとは・・・彼は意外だった。
モールの中を腕を組んで歩いていると、ドキドキしている自分を発見して苦笑い。娘より若い女の子とこうやってデートしている自分を意外な思いで見ていた・・・
すれ違う人が、振り返るような女の子を連れて居る・・・
彼は自分を忘れて有頂天になりそうだった。
・・・・食事はモール内で「今日は私が払うから・・・」と笑いながらマリーが店を決めた。
選んだのはマクドナルド、ビールがないのが残念だったが、久しぶりのハンバーガーが美味しかった。
周りのテーブルは若者ばかり・・・・自分まで若返ったような・・・そんな気分を彼は味わっていた
お店に行くと、着替えてくる間に、一緒に働く彼女の友達を紹介された。
「彼女は今月どうしてもポイントが足りないから・・・助けてあげて良いですか?」
そういわれて、その子も指名する。
そうすることで彼女が喜ぶならば、大した額ではないからやってあげよう・・・そんな気になっていた。
その日はマリーにも、他の客から指名が有って、掛け持ち状態
なんでも、彼女を気に入っている韓国人客が指名しているようだ
「これは仕事だから、仕方ないわ」
という彼女の言葉にうなずいた
結局時間の大半は、彼女の友人と飲むことになったが、それも仕方ない
こっちが延長すれば向こうの韓国人の客も延長・・・
イライラしても仕方ないが、ついつい目で追ってしまう
彼女がテーブルに戻ったときに・・・
「明日が最後になる、明後日の朝便で日本に帰るから」
「私は明日、約束が有って。同伴できないと思います・・・」
彼女の意外な言葉に、動揺する・・・当たり前のように同伴できると思っていたのだ。
「なんで?」と言いそうになって言葉を飲み込んだ・・・
「じゃあ・・・お店に顔を出すね」
翌日の再会を約束して・・・お店を後にした。
小さな嫉妬
夕食を一人で食べる味気無さ・・・・
「何でだよ・・・」という気持ちが湧くが仕方がない・・・
足早に、彼女のお店へ向かう。
しかし、彼女はまだ出勤していないとマネージャーが言う・・・どうも、同伴のようだ
「約束って、同伴だったのか・・・・?」
8時前に、彼女がお客とやってきたのが見えた
暫くして、彼の席に彼女がやってくる・・・
「ごめんなさい、今日は前からの約束であっちの客さんと同伴だったの・・・」
そうきちんと言われれば、怒るわけにも行かず、自分の嫉妬心を静めるしかない
「仕事だからしかたないさ・・・、」
そういいながら、心にさざなみが湧いてくる。この子を自分だけに向かせないなぁ・・・・そんな思いを持った自分自身に驚いたりする・・・
彼の席に居るときの彼女は、すっかり寛いで、彼にもたれかかってきた
そんな彼女の重さを受け止めるときに、彼は何か・・・そう幸せを感じていた
肩に頭を乗せてくれば、それを受け止め・・・
会話は少なかったが、より深い何かが二人の間にあると・・・感じていた
「今度はいつ会えますか?」
彼女の口からため息交じりの質問・・・
「多分来月・・・かな」
本当に予定を決めていなかった・・・・
帰国前夜ということもあり、ラストまでお店に居た彼に、マリーは「家まで送ってください」と甘えた。
本当は、一緒にホテルまで来てもらって・・・と思っていたが、ここは大人の対応で、送っていくことに。
マリーの自宅はグアダルーペの近所
川に面したアパートが立ち並ぶ一角だった。
タクシーを降り際、マリーの唇が彼の唇に・・・
「おやすみなさい」そういって、マリーは自宅のほうに歩いていった
帰国の朝、空港に見送りに来てくれることを期待していたが・・・
授業やプロジェクトで時間が無く、TEXでの別れの挨拶になった
次回の予定もはっきりしない・・・彼は後ろ髪を引かれながら帰国の途に・・・
・・・・続く
※内容はフィクションですので・・・(汗)
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