第一話はこちらです
目が覚めると窓の外は雨
雨のリゾートくらい手持ち無沙汰な場所は無い
SPAもすでに予約で一杯・・・
傘を差してプールに行くわけにもいかず、部屋でテレビを観る位しか思いつかない
幸い、ケーブルテレビなので多くのチャンネルが有り退屈はしないが・・・
コテージでは、本館まで行くのも面倒
食事は、朝、昼ともにルームサービスを注文した
彼はこういうのは全く苦にならないが、マリーは途中で音を上げた
「寂しい!」・・友達も居なくて寂しいといい、泣き出さんばかり
「あなたと話をしても詰まらない・・・あなたは退屈・・・」
そこまで言われて、流石に彼もムッとする
さらに、マリーは続ける
「ねえ、ママのアパートの内装のお金、出してください・・・
私は、こうしてあなたと一緒に此処に来ているでしょう?
だから・・・お金を出してください」
彼は、首を縦に振らなかった
彼は彼なりに思うとところがあったのだ
アパートの購入書類を見せるように言ったのに、マリーと母親は言を濁して見せようとしない
いくらで買ったのかも解らない・・・彼がその不満をマリーにぶつけた
「私のいうことを信用してくれないの?」
「信用するとかではなく、私は事実を知りたいだけ。名義変更は終わったの?」
彼もマニラに住む知人にそれとなく相談して、こういう場合の裏話も聞いていたのだ
「きちんと書類を見るかオーナーと面談したほうがいい」とアドバイスを受けていたのだ
「解ったわ、マニラに帰ったら書類を見せるわ・・」マリーは約束した
「見せたら車も買ってくれる?」
「それは未だ早い・・・」彼が答えると、マリーは不貞腐れた
せっかくのリゾートだったが、内容は散々だった
マリーは彼に自分の要求の有りっ丈を要求をして、彼がそれを断る
つい先月に、アパート購入の資金を支援してあげたことをすっかり忘れて、次々と要求を出してくるマリーに彼は辟易としていた
夕食もルームサービス
ワインを一緒に飲もうと思っていたが、マリーは「呑みたくないわ」というので、彼が一人で飲んだ
マリーは映画を見ながら食事していた
一緒に居ても、二人の心は遠かった・・・
最終日、迎えの車が来るのも待ちきれないような気持ちでチェックアウトすることになった
マリーはお土産が欲しいといって、ショップで色々選んでいた
彼は、呼ばれても行かなかった
支払いになって、マリーがもう一度彼を呼んだが、彼は行かなかった
彼もちょっと子供のように拗ねていた
昨夜、マリーのベッドに滑り込んだ彼
「お金が先・・・」とマリーの口から漏れた言葉に、気持ちが冷えていた
結局、マリーはみやげ物をほとんど買わずにリゾートを後にすることになった
それがよっぽど気に食わないのだろう、マリーは車内でも全く口を利かなかった
マリーを彼女の家で降ろして、彼は借りているコンドに戻った
「書類が揃ったら連絡しなさい、内装のお金はそれからだ・・・」
彼はマリーに伝えていた
マリーは書類が揃ったら連絡するといって、家に帰っていった
夕食を一人で食べながら彼は今までのことを思い出していた
毎月の援助・・・
父親の入院費用
マリーの学校でのビジネスの資金
婚約指輪とパーティ
そして母親のビジネス用のアパート
諸々のお金を出してきたが、これで良かったんだろうか・・・
その日の酒は、ひどく苦いものだった・・・・
続く・・・
※内容はフィクションですので・・・(汗)
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