第一話はこちらです
「ママ、私は彼と別れたい・・・・」
彼はびっくりした
婚約パーティーには親戚一同も来ていた
それなりの重さがあるだろう?
そんな子供じみたことをいまさら言うのかよ!
母親は「そんなことは今更出来ないわ、あなたたちは婚約したのよ・・・」
そう言って叱っていた
「だって、彼が変わったの・・・・優しくないから・・・」
マリーと母親は口論みたいに話をしていた
彼は席をはずして、外でタバコを吸っていた
疲労感が滲んでくる・・・・
此処数回のマニラ訪問で、事態はスッカリ変わっていた
これ以上この子と付き合って何があるんだろう・・・
彼は気持ちを決めかねていた
遊ぶ子だったら事欠かないのがマニラ・・・
いくらでも綺麗な子は居る
いったい自分はマリーに何を求めたんだろうか・・・
ちょうどそこに、通訳を出来る親戚の叔母がやってきた
おばは彼を見てちょっと驚いた様子だった
母親が戻ってきた
「私からマリーにちゃんと話しますから・・・、ちょっと落ち着くまで待ってください」
彼は、叔母を通訳にして、もう一度彼女への要望を話をした
彼がマニラに居るときは一緒に居る
電話には必ず出ること、TEXで何処にいるか必ず連絡をすること
婚約者として当たり前のことだ
最後に彼は、
「解った、婚約者らしい自覚を持って行動すれば、私はマリーの要望を叶えてあげるつもりです・・・」
彼は母親に告げると、母親は大きく頷いた
暫くしてマリーが部屋から出てきた
「あなたが、アパートの改修費用を出してくれないんだったら、それは仕方ないです 私は、もう一度KTVで働くことにします・・・」
マリーはそう決心したようだ
「でも、KTVで働いたら、俺たちは逢う時間も作れないだろう?」
「だって、あなたが私を援助しないから・・・・」
議論は堂々巡り
彼は答えを知っていたが・・・あえてそれを口にしなかった
「わかった。あなたがそうしたいなら・・・働きなさい」
彼はそういって、マリーの自宅を後にした
部屋に帰って彼はビールを飲み始めた
冷蔵庫には、スーパーで買ったビールが沢山冷えていたし、呑まずには居られない気持ちだった
彼はこれ以上此処でお金を出すかどうかを考えていた
あと、10万ペソ・・・たった20万円だ
それを出せる余裕はあったし、出して困る金でもなかった
ただ、話の内容が全く見えないのが嫌だったのだ
彼としてはお金のことは、きちんと管理することをマリーに教えたかった
費用対効果、投資した金を何年で回収するのか・・・ビジネスの基本をマリーに理解させたかったのだ
丼勘定では事業は破綻する
あっと言う間に資金ショートするのは目に見えていた
アパートの事業の損益見込みも彼の納得いく話しは聞けて居なかった
購入費と内装費、レンタルの人数と家賃、光熱費などの経費はどのくらいなのか・・・
税金の問題もあるだろう・・・
そんなことをマリーや母親に問うても答えを持っていなかった
それがフィリピンスタイル・・・言ってしまえばそうなのかも知れない
しかし、そんな話にこれ以上の投資をしても、無駄金のように思えてきた
空腹を覚えた彼は、マラテにタクシーを走らせる
馴染みの日本料理屋で遅い夕食を食べることにした
食事をしながらも、彼の気持ちは一向に晴れなかった
いや、逆に沈んでいくという心境だった
以前知人から聞いていた・・・
「悪いフィリピン人に当たると、金ばっかりだよ・・・」
その通りになってきた
ただ未だ心のどこかで、マリーを信じたい自分が居た
マリーをKTVの戻すべきか・・・
「それは嫌だ」・・・それが彼の答えだった
彼はマリーにTEXした
「もう一度二人で話し合おう。私はあなたと優しく話し合いたい」
金のことはもういい・・・
彼はマリーとの甘い時間を取り戻したかった
続く・・・
※内容はフィクションですので・・・(汗)
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