三週間ぶりのマニラ
飛行機のドアを出たときに独特の熱気が彼を迎える
イミグレに向かう足取りは軽かった。昼過ぎのマニラ、サンパギータの香りを感じながらの暑い日差しが眩しい・・・
日本に居るときもマリーからの連絡はいつも来ていた
マリーにあげた携帯電話で、マリーがネットに繋いでいたから、いつでも連絡出来た。それはメッセージやTEXだった。
マリーが学校に行く前、学校から自宅に戻ったとき、仕事に行く前、仕事中・・・、仕事が終わって無事に家に着いた連絡を受け取るのは、早朝だった。
もう直ぐ会える・・・
タクシーがロハスブルーバードに入った
もう直ぐマラテだ・・・
毎日のメッセージが二人の間の距離を感じさせない・・・毎日一緒に居るような感覚が有る
マリーからのメッセージを待つこと・・・いつしかそれが彼の夜の生活のリズムになっていた
連絡がない日は、どうしたのかと気を揉んだり、
仕事が終わって「指名がなくてポイント足りない・・・」と言われれば心を痛めた
他愛無いことで気持ちが高揚する・・・
彼はそれを楽しんでいた
今回の滞在は、いつものホテルではなく、コンドを短期で借りた
ロビンソンの近所のコンド
彼女との時間を長く作りたい・・・
ちょっとした生活観を味わいたい
そう思って、コンドにしたのだった
午後早い時間にマニラに着く便で来たのは、マリーからのリクエストがあったから。それはマリーの家族に挨拶に行くため・・・
ロビンソンの近くのサービスアパート形式のコンドにチェックインして、荷物を置部屋のに投げ込むようにして、早速彼はタクシーを飛ばす
途中のケーキショップで、頼まれた大きなバースデーケーキを買った
マリーの弟の誕生日が今日なのだ
親戚も来ているパーティーに参加することになっていた
そこで、両親や親戚に彼を紹介したいと言うのがマリーのリクエストだった
家族への挨拶
マリーの住むアパートに行くと、庭で小さなパーティーが既に始まっていた
質素な料理とお菓子、ケーキは彼が持参するのを待っていた
マリーは朝から料理を作るのが忙しく、休む間もなく働いているようで、化粧っ気がなかった。
普段に生活とお店のメイクとのギャップに彼は改めて驚いたくらいだ
まずは両親に挨拶
彼よりもマリーの両親のほうが若いのには苦笑いしたが、仕方がない
そして沢山の親戚・・・
おじさんやおばさん、「従兄弟」たちの多いこと・・・
フィリピンでは子供の誕生日を盛大に祝う
近所の人に料理を振舞い、酒を振舞うのが当たり前
彼も知識としては知っていたが、実際にこういう場に来たのは始めてだった
皆で酒を飲み、豚の足の揚げたもの、フライドチキン、中華焼きそばみたいなものを食べてはビールで流し込んだ
暫しの時間が過ぎたころ、父親と母親が彼を家に中に案内する
粗末なサリサリストアを営んでいると聞いたが、ビールやコーラなどの大きな冷蔵庫も合って、米や缶詰も沢山売っているようだ
部屋に入って、マリーと四人の話が始まる
娘はトンボイ
「今日は娘からボーイフレンドをつれてくると聞いて待っていました
年上とは聞いていましたが・・・」
苦笑する父親と、値踏みするような視線を投げてくる母親・・・
「マリーがボーイフレンドを連れてきたのは初めてです・・・」
その後でお父さんがこう話し出した
マリーは高校のときまではトンボイで、男の子には興味がない、女も子を恋人にする子でした。レズビアンのようなものですが、男の子のように髪を短くして、いつも男の子の格好をしていました。ある日、ガールフレンドをつれてきたので厳しく叱ってから、この子は女の子に戻りました。
フィリピンではバクラといって、ニューハーフのように女装したり、女性のように生活するのと同じように、トンボイといって、男性になる女性が多く居るとは知っていたが・・・
まさか自分のガールフレンドが、トンボイだったとは・・・
夕方になって、マリーは仕事の出勤時間が近づいてきたこともあり、パーティーを二人で中座して、タクシーでマラテのお店に向かう
いつもより大きなバックを持ったマリー
「今夜は、仕事の後で家に帰らなくていいわ・・・」
・・・・続く
※内容はフィクションですので・・・(汗)
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