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Channel: フィリピン・マニラdeリタイアメント生活を楽しむ
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ブーゲンビリアに魅せられて(8)

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父親の病気 
 
日本に着いた彼の携帯に、マリーからメッセージが入っていた
自分の病院の費用と薬代を払ってもらったお礼が書かれていた
フィリピンでは病院代は収入に比べると非常に高く、庶民層では薬局で薬を買うのがせいぜいという家庭も多い
 マリーも病院で検査すること自体が生まれて始めてだったらしい
多少の熱や不具合は休んで治す・・・これもフィリピンなのかも知れない

帰国して一週間が過ぎたころ・・・
マリーから、学校の試験でお店を何日か休まないといけないことの連絡があった
当然、其の分の給料はカットはされてしまう
それを、助けてくれないか・・という内容だった

次回マニラに行くのは、二週間後の予定
其のときで間に合うかと連絡すると、「大丈夫です」という返事が来た
次回は、5日間程度滞在する予定にしていた
 

二週間後・・・・彼はニノイアキノ空港に立っていた
22時近くの到着だったが、ターミナルは混んでいて入国までに結構な時間が掛かった
ホテルは今回もサービスアパートにした

空港からのタクシーは、見慣れたロハズブルーバードを走っていた

出発の前日、マリーから明け方に電話があった
こんな時間に電話が来るのは珍しく、どうしたのかと訝しく電話を取る。
 
「お父さんが、急に倒れて病院に入院しました」
マリーの切迫した雰囲気が伝わってきた。
あの若々しいお父さんが倒れた?
「何が原因なの?」
どうも要領を得ないが、今は田舎の病院で検査入院をしているらしい
母親はこれから直ぐに田舎に戻るバスに乗り、旦那の元に向かうと言う

マニラから地方へ行くバスは、24時間頻繁にあるので、それを利用するらしい
マリーも一緒に行きたいが、行けばいつ戻れるか分からないと言う・・・
マリーは彼のマニラ入りも有って、どうしようか躊躇しているらしい

「お父さんのことを一番に考えて、お母さんと一緒に田舎に帰りなさい」

マリーは、母親と一緒に田舎に向かった


サービスアパートの部屋にチェックインして、マリーに電話する
父親の今の様子を確認することにした

検査では特に問題が見つからず、2~3日中に退院できるという
退院まで母親が付き添って、マリーは明日か明後日にはマニラに戻る予定らしい

「ただ、問題が有るの・・・・」
マリーが言うのは、保険に入っているので病院代は何とか払えるらしいが・・・
薬代やドクターへの支払いが足りないと言うのだ・・
それを清算しないと退院許可が出ない・・・らしい

「幾らくらい足りないの?」
フィリピンでは医療費が高額で、ちょっと入院して手術などをすれば家一軒分くらいのお金が掛かると聞いていた。
余りに高額では彼も支払うだけの現金を持っていない・・・

「2万ペソくらい・・・」
彼は内心ホッとした。そのくらいなら何とでもなる

「わかった、私が出してあげるよ」

マリーは何回もお礼を言った

一旦電話を切って、近所のコンビニでビールとつまみを買って来た
マニラの夜を一人で過ごすには、アルコールが必要だ。
遊びに行くことも出来たが・・・彼はそれをしなかった

シャワーを済ませて、ビールを飲んでいると電話が鳴った
マリーからだった
「今から、バスでマニラに向かいます。朝にはマニラに着くから・・・」
マリーは、お金を取りにマニラに来ると言う

明日の朝に、お金を受け取って、それを送金するか持ち帰るかするという
「わかった この前と同じサービスアパートだから」

朝の8時ころに、電話が鳴った・・・
マリーは一旦マニラの自宅に寄って、着替えてきたと言う

3週間ぶりのマリーとの再会・・・
彼はマリーの腰を抱いて、部屋に迎え入れた

ベッドでタバコを吸いながら、マリーが、
「お父さんの病院に一緒に行ってください・・・きっとお父さんも喜ぶから」

勿論彼に異存はなかった
どうせマリーが一人で田舎に行けば、自分はすることもなくマニラでどうしよう・・と思っていたのだ。
マリーの大学の友人の知り合いで車をレンタルした
運転手も手配して、昼前にはマリーの田舎へ向かうことになった
 
・・・続く
 
※内容はフィクションですので・・・(汗)
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