雨のマラテを昼過ぎに出発した
借りた車はライトバンタイプのもので、椅子も狭く固いものだったが贅沢はいえない
せいぜい3時間程度と言うので我慢できるだろう
出発前にロビンソンで、車のバッテリーから携帯に充電できるコードを購入した
マリーの母親からひっきりなしに電話が掛かってきていたし、マリーも落ち着かないのか、電話機にダウンロードした音楽をずっと流しているので、あっという間に電池切れになるからだ
こういう緊急のときはバッテリーを節約して・・・なんて考えないんだな。彼の中の冷めた部分がそんんことを観察していた。
車はSLEXを南下していく
途中のパーキングエリアで遅い昼食を食べることにした
KFCでランチをしたあとで、マリーが「お土産に食事を持って生きたい」と言い出し、数人分のパックを購入した。
インターチェンジを降りた車は、一般道を進む
穏かなフィリピンの田舎の風景が車窓から見えている
マニラと比べ家は平屋が多く、庭が広い
水田には、稲穂がびっしりと・・・・
とても長閑で平和な風景
隣で眠っているマリーの顔を見ながら、将来はこんな田舎でノンビリ暮らすのも良いなぁ・・・等と考えていた
車は、少し大きな町に入ったようで、トライシケルやジープニーが増えてきた
暫く走ると、小奇麗な病院に到着した
玄関先で車を降りて、マリーの案内で病院内へ
救急用なのか沢山のベッドが廊下にも溢れていた
4人部屋のような部屋にマリーのお父さんが居た
横にはマリーの母親と、先日マニラで誕生祝いをした弟が居た
父親は点滴をしていたが元気そうで、
「急に目の前が暗くなって、倒れた、意識が戻ったときには病院に居た」という
マリーの弟が、近所の人に助けを求めて、家の近くの病院まで運んだらしい。
しかし其処では手に負えずに、この病院まで搬送したことを知った
マリーに聞けば、この病院から自宅までは、車で1時間の距離があるらしい
父親の着替えなどを自宅に取りに行きたいという母親が、レンタルした車を使いたいというので、弟を残して、マリーと母親、彼の三人で車に乗った。
町から北東へ1時間半くらい・・・・マリーの実家は海が見える静かな町だった
父親は此処でトライシケルのドライバーをして生計を立てているという
家は木造ながら2階建てのしっかりした作りだった
家に着くとマリーは彼を実家の彼女の部屋に案内した
其処はマリーが高校までを過ごした場所
壁に貼ってあるポスターや縫いぐるみが女の子の部屋を実感させる
彼女は此処での生活ぶりを彼に色々説明してくれた
小学校、高校などの出来事を懐かしそうに色々説明する彼女
内容は半分も分からなかったけれど、彼はとても幸せな気分だった
1時間にも満たない滞在を終えて、病院に戻る準備ができた
既に陽は傾いて陰が長くなってきた
町の病院に戻ったときは、既に暗くなっていた
夕食は途中のジョルビーで適当に買い込んだものを病室で食べた。
マリーは、病院から遠くないホテルを幾つがフロントで聞いてきて、彼にチェックインを勧めた。
マリーとお母さんは父親と一緒に病院に泊まりこむそうだ。
レンタカーのドライバーは宿泊代にP500貰えれば自分で寝る場所を探すという。
きっと車の中にでも寝るつもりなのだろう
彼は最初に尋ねたホテルにチェックインすることにした。眠れるだけで充分だし、ちゃんとレストランも有った。
エアコンの効いた部屋で、ベッドに寝そべって体を伸ばした
固いベッドの上で昨日からの出来事を思い出したり、マリーの実家での会話を考えているうちにいつしか眠り込んでしまった。
朝6時に携帯が鳴った
マリーからだった、病院で寝ていなかったので、チェックアウトの時間まで部屋でシャワーを借りて寝かせて欲しいというものだった。
勿論、彼に異存はない。
15分程度でマリーが部屋に来た。
「シャワーというのは母親が隣にいたので口実、あなたに逢いたくて病院を抜け出して来ちゃった」
悪戯っぽく、マリーが笑った。
朝食の時間。
マリーもお腹が空いたというので、二人は一緒に朝食をとって、部屋に戻った。
部屋で見つめあう二人・・・
マリーと彼は一緒にシャワーを浴びていた・・・・
午後になって、父親は退院できた。
マリーの実家まで、父親を送ってからマニラに帰ることにした。
空模様が悪くなって、マニラに帰る途中で土砂降りの雨。
SLEXに乗ってからは順調だったが、マニラに入ってから渋滞が始まった
運転手が彼方此方にTEXすると、どうもマラテの周辺は道路冠水して行けそうにない
そこで、仕方なくマリーの家があるUMAに一旦寄って、水が引くのを待つことにした・・・
・・続く
※内容はフィクションですので・・・(汗)
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