第一話はこちらです
食事中の携帯電話
マリーと24時間一緒に居ることになって、彼は幸せを感じると同時に、ストレスも感じるようになった
一番のストレスは、意思の疎通の細かい部分がかなり難しいこと
日本で言う「以心伝心」がなかなかうまく出来ない、伝わらない・・・
エアコンの温度設定は、いつも最大冷房温度の16℃にしたがる・・・26℃でも一緒だよ・・・言っても聞き入れない
テレビも大音量で流しっぱなし・・・携帯から音楽をいつでも鳴らす・・・・静かな空間と言うのが我慢できないらしい
マリーのそんな細かな癖が、目に付くようになる
ある午後に、マリーは薬局に行きたいと言う
何を買うのかと聞くと。避妊用の薬を買いたいと言う
彼は、マリーの生理日から見当をつけて、避妊具を使ってコントロールをしている
今までもそうだったし、これからもそのつもりだった
しかし、マリーはどうしても薬を飲むという
しかたないか・・・彼も了承して一緒に買いに行く
思いのほか簡単にマニラでは避妊薬が買える
価格もP500程度と安いことに彼は驚いた
マリーが意味深な笑を浮かべていた・・・
また、ある日の夕方は、マリーの親戚がビジネスの話をしたい・・・といって、グリーンベルトで待ち合わせた。マリーの叔母と、ビジネス仲間の3人が待っていた。
ちょうど夕食時、「何が食べたいですか?」マリーの叔母が彼に尋ねる
「何でもいいですよ」
彼らは、モダンな店構えのフィリピン料理の店に入った
ビジネスの話と言うのは、FXを使った投資の話で、投資会社に就職した叔母が顧客ノルマが欲しいらしく、PCを使っていろいろ説明をするが・・・
彼もFXは多少知っていて、手数料のことや現金化のタイミングなどを質問するが、要領を得ない回答・・・
「たった5千米ドルだから・・・」
その言葉にカチンと来た・・・
彼にとっては「たったの」ではないし・・・叔母にとっては簡単な金額なのだろうか?
マリーの親戚と言うだけで、こんな話は信用できないを彼は思った
結局、「またの機会に」
支払いのときになると、なぜか勘定書きが彼に回ってきた
帰り道、マリーに「あなたの叔母さんが会いたいといって、ビジネスの話を聞いたのに、何で私がご馳走しなければならないの?」と問いかける
マリーは、何を言われているのか一瞬わからない表情だったが、
「そんなけちなこと言わないで、私が恥ずかしいでしょう」
と言い放った・・・
これがフィリピン流なのか・・・彼はある意味唖然とした
それでも、夜になればマリーは優しかった
一緒にシャワーを浴びて、二人で遊んだ
マリーは好奇心いっぱいで、彼が日本から持ってきたアダルトビデオを食い入るように観て、真似をしたがった
いったん心を許すとこうも変わるのか・・・
いつでも求めてくるマリーに、嬉しさもあったが、「体が持たない・・」とも思い始めた
マニラに居る彼は、夢のような生活を送っていた
若い女の子と一緒に住んで遊びまわる・・・
彼は自分が求めていた「夢」が実現したような気になっていた
気力が漲って、何を見ても楽しかった
マリーは手を伸ばせばいつも届く、彼の横に居た・・・・
それでも喧嘩も多くなっていた
ある日の食卓、マリーがメインの豚肉料理を作って、彼は野菜サラダを準備した
彼は食事のときに、ビールを飲むのでご飯を食べるタイミングがちょっと遅れる
ご飯を食べ終わったマリーは、彼がまだ食べているのに食卓で携帯電話をいじりはじめた
彼が話しかけても生半可な返事しかしない
「まだ食事中なんだから、携帯電話は後にしなさい」
彼が注意しても、なかなか止めないマリー・・・
「テーブルに居るときは食事に集中する、最低限のマナーだよ」
何度も言うが、マリーは聞かない
つい彼も、声を荒げてしまう
びっくりしたマリーは、「私が友達とTEXしてはいけないの?」と逆切れ・・・
かみ合わない喧嘩の争点・・・気まずさだけが漂う部屋
こんな空気が支配する時間が長くなっていた・・・
何か違うのかな・・・彼はこの奇妙な違和感を、どうやって処理すればいいのか思いあぐねていた
そろそろ帰国の日が近くなっていた
帰国日の朝、まだ暗いうちに、彼はコンドを出た
マリーはどうにか起きていたが、これからシャワーをしてメイクをしたいと言う
それでは飛行機の時間に心もとないので、彼は一人で空港に向かった
マリーそんな性格を以前は可愛いと思ったが、いまはちょっと違う目で見ている彼が居た
続く・・・
※内容はフィクションですので・・・(汗)
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