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Channel: フィリピン・マニラdeリタイアメント生活を楽しむ
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ブーゲンビリアに魅せられて(17)

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第一話はこちらです
 
朝になって、彼はそのTEXに気がついた

「あなたは、本当に一人で寝ているの?」って・・・どういう意味だろう?
気になったが、「もちろん一人で寝ていた」というTEXを送信した
しかし、返事は来なかった

昼前になったので、マリーの家に行くことにしてタクシーに乗った
マリーは、まだ自宅のベッドで寝ていた
ベッドに座って、マリーを起こすと・・・マリーは怒っていた

「あなたは昨日はまっすぐ帰ったの?」
マリーが問い質す
彼は、あえて何も言うことも無いと思い
「うん、まっすぐ帰ったよ」

「嘘つき!! あなたは 昨日彼女に会いに行ったでしょ!」
マリーの口から女の名前が出た・・・
それは、マリーの店に居た女の子の名前だった

どうも、良くわからなかったが合点がいった
マリーの店の後に飛び込んだ店で指名を頼んできた女の子が、マリーにTEXかなにかで彼のことを伝えたようだ・・・
だからマリーは怒っているのか・・・・

彼は、店に行ったことを正直に話をしたが、嘘をついたことを散々なじられた
フィリピン人はこういうときにはヒステリー状態だ・・・手がつけられない

何とかなだめて・・・銀行に口座開設に行くことしたが・・・
ろくに口も利いてくれない

まあ、それだけ俺に一生懸命惚れているのかな・・・そんな解釈をして、ニヤニヤしていた

タクシーで銀行へ
口座開設の手続きをする
フィリピン人でも銀行口座を持っている人は少数で、財布貯金があればまだまし、普通はその日暮らしのお金しか持たないらしいと聞いていた
彼女も始めて銀行口座を開設するらしい

カウンターで、手続きをして、口座維持の最低預金高分を入金するとき・・・
マリーが彼のほうを見ている
彼は「昨日渡したでしょう?あれはどうしたの?」

マリーは、ばつの悪そうな顔をしていた
「出してください」
「だって、昨日渡したでしょう?何で持って来ていないの?」
「・・・・・お願い」
流石にむっとしながら彼は財布から現金を取り出して、銀行員に渡した。
帰りのタクシーの中でも、マリーは無言だった
家に帰ると、マリーは泣き出した・・・

ちょうど、通訳できる親戚のおばさんが来ていたので、いろいろ理由を聞いてもらうと・・・

銀行で彼がマリーに恥をかかせたことが原因らしい
しかし、彼には思い当たる理由も無い・・・
通訳のおばさん曰く・・・

「フィリピンでは、男性が女性の気持ちを汲んで、行動しなければならない
 銀行でお金のことで、銀行員の前でマリーに大恥をかかせた・・・
 銀行員に笑われた・・・それがショックで恥ずかしい・・・」
というものだった

「だって、昨日ここでお金渡したのに、マリーがそれを持参しないから・・・」

「そんなことは関係ないの、その場の雰囲気で、女性に恥を掻かせてはだめ・・」

なんという難しさだ・・・彼は途方にくれた
あの場面で、何も言わないでさっとお金を出すのがフィリピン流?・・・
難しすぎる・・・

「それともうひとつ・・・、貴方は何で嘘を言ったの?」
昨日、他のKTVに行った事か?
それもあるのか・・・
「余計なことを考えさせたくなかったから・・・」

どうもこれは何の言い訳にもならないらしい・・・マリーに内緒で、女の子に会いに行って、指名した・・・はたから見ればそれは背任みたいなものだ・・・

それはマリーとの最初の行き違い・・・だった。

結局、その日もマリーはお店に仕事に行った
彼は同伴しようと言ったが、マリーから断られた
こうなると、フィリピン人の女の子は手はつけられない

暫くは嵐が過ぎるのを待つしかない・・・

翌日、彼はニノイアキノ空港に居た
結局、マリーは電話もTEXも返事が無いまま・・・
気まずさを背負ったまま、彼は日本に向かう飛行機に乗っていた
 
続く・・・
 
※内容はフィクションですので・・・(汗)
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